本校は、昭和38年(1963年)、鹿島臨海工業地帯の発展を背景に、地域産業を担う人材の育成を目的としてこの行方の地に開校し、本年で創立64年目を迎えました。その間、1万1,000人を超える卒業生を社会に送り出し、行方市をはじめとする近隣地域を中心に、多くの企業において本校卒業生が活躍しております。
現在、本校では卒業生のおよそ8割が就職の道を選択しており、近年では県内だけでも1,600件を超える求人をいただいております。これは、本校の教育に対する産業界の皆様からの高い信頼と期待の表れであり、心より感謝申し上げます。
さて、現代社会は、AIやIoTなどの技術革新が急速に進展し、将来の予測が困難な「VUCAの時代」と言われています。このような先行き不透明で変化の激しい時代において、社会の中で力強く生きていくためには、変化に柔軟に対応し、自ら課題を見いだし、主体的に考え行動できる人材の育成が不可欠です。
こうした時代にあってこそ、本校が大切にしてきた「ものづくり」の学びは、一層その価値を高めています。自らの感覚を研ぎ澄まし、手を動かしながら仲間とともに試行錯誤を重ねる経験は、確かな技術力のみならず、課題解決力や協働性を着実に育みます。
本校では、「くくり募集」制度を導入しており、1年次は全員が工業に関する学科に所属し、機械・電気・情報技術の3分野の基礎を幅広く学びます。2年次からは、自らの興味・適性や将来の目標に応じて学科を選択し、専門性を一層深めていきます。
近年は、現代的課題の解決に挑戦する探究活動にも力を入れており、主体的・対話的で深い学びや、地域・企業と連携した実践的な教育の成果は、生徒の目覚ましい活躍として表れています。昨年度(令和7年度)は、「高校生ものづくりコンテスト全国大会・電気工事部門」において本校生徒が優勝し、全国初となる同一校連覇という快挙を成し遂げました。さらに、「若年者ものづくり大会」や「ロボットアイデア甲子園」全国大会での準優勝、「SDGs QUEST みらい甲子園」茨城県大会最優秀賞(全国大会出場)、ウエイトリフティング部の全国選抜大会準優勝など、工業分野にとどまらず多方面で優れた成果を収めております。また、電気工事士試験においても全国トップレベルの合格率を維持しており、本校教育の質の高さを示しています。
本校の校訓は「至誠・勤勉・協和」です。誠実であること、努力を惜しまないこと、そして仲間と助け合うこと。これらは、時代がどのように変化しようとも決して揺らぐことのない大切な価値です。
今後もこの伝統と校訓のもと、生徒一人ひとりに寄り添いながら、社会に求められる「技術力」と「人間力」を兼ね備え、いかなる時代においても自らの力で未来を切り拓くことのできる人材の育成に、教職員一丸となって取り組んでまいります。
本校の教育活動や生徒の活躍につきましては、本ホームページを通じて随時発信してまいります。ぜひご覧いただければ幸いに存じます。
2026年4月
茨城県立玉造工業高等学校長
松代 寛